ダウン症について・・・基本的なこと

財団法人 日本ダウン症協会(JDS)理事、臨床遺伝専門医

いでんサポート コンサルテーション オフィス、

NPO法人日本プラダー・ウィリー症候群(PWS)協会理事

関東PWS関東ケアギバーズネットワーク代表

  長谷川知子

はじめに

ダウン症の方々の診療を始めて40年近くたちました。そして多くの親ごさんやご本人からたくさんのことを学びました。今も赤ちゃんから成人(中年)までの方を診ていますが、成人の相談が増えました。病院の診療は医療のみならず、育児・保育・療育・教育・福祉からよろず相談にわたっています。また、診療の場から離れ、一緒に出かけたり、食事やお茶をしておしゃべりしたり、ご本人たちからの悩み相談を受けたりもして、医師としてだけでなく人生の先輩としてつきあうこともあります。なお、私はダウン症だけではなく、多種多様な先天性の(生まれる前に生じた)障害がある方々も診ていますので、それぞれの特性を比べることで、ダウン症をもつ方々についても、より深く知ることができるように思われます。

 

ダウン症の原因

  ダウン症は正式名をダウン症候群といい、一番小さな染色体21番の長腕が1本多くなり、その部分の遺伝子だけが通常の1.5倍になったことが原因です(最も多いのは21番全体が1本多くなる「標準型21トリソミー」です)。ですからダウン症は(遺伝子の量が過剰になっていることに意味があるため)遺伝性疾患に入りますが、遺伝子自体の変化で起こったものではないのです。遺伝子量が過剰になると次のようになります:@ 代謝の状態(表現型)に影響ない(正常な状態のまま) A 代謝の状態を向上させる B 代謝の状態を阻害する、 

 

ダウン症の胎児は流産しやすく、お母さんのおなかの中での環境が良くないと生まれてきません。生まれてきたということは、淘汰を越えて選ばれた、つまりエリートを意味しているのです。

 

ダウン症をもった普通の子(人)

 ダウン症児(者)という言葉には、良きにつけ悪しきにつけ、この人たちは特殊であるというレッテル貼りの響きがあります。でも、障害だけの人は生まれてきません。ダウン症であっても基本は普通の人と同じです。そう、ダウン症の人たちは「部分的にダウン症をもった、ゆっくり育つ普通の人間」なのです。これは両親から受けついだ染色体のうち、21番だけが1本多いことからも言えることです。

 ですから、ダウン症はもとより、遺伝子の違いでおこる特性の全ては、病気でも障害でもありません。ただし病気や障害になりやすいので、そこには注意が必要です。

障害の部分だけに目がいったら、障害は拡大してしまいます。障害が拡大したら発達は抑制されます(「遅れを招く環境」とも言われます)。大事なことは、彼らが、両親から与えられた遺伝子と生育環境を基盤に、自分の力で個性ある人格を発展させていくことのできる立派な普通の人間であり、それにダウン症の影響が加わっただけの、私たちと大きくは変わらない人たちなのだ、という事実をしっかり見ることではないでしょうか。(「ダウンちゃん」という呼び名もよく聞きますが、人格を尊重したら使えない言葉でしょう JDS岡山支部長の森口晶子さんも自著で「ダウンちゃんと呼ばないで」と書かれています。「刺激を与える」という言葉もきょうだいなど他の子には使いませんよね…刺激が強すぎる環境とは言いますが)。

 

 しかし子ども達は、わずかの違いにも気づきます。それを訊いてくるのは、説明をする機会でもあります。いろいろな説明があるでしょうが、園や学校をまわって、このような子ども達のことを他の子に説明する活動をされている、ある大学の先生は、「苦手が多い」という表現をしているようです。障害を言うと、自分と関係ないと差別されがちなのですが、苦手というと、自分にもあるからと共感されやすいそうです。もちろん良いところを強調する必要があります。子ども達から良い解釈がでることもよくあり、ある園児は家で「○○ちゃんはね、こころで話しているんだよ」と言ったそうです。

 

普通を育て、障害を育てない

  ダウン症があっても基本は普通の人、普通の子なので、一番大事なことは「普通の子育て」です。これは放っておいていいという意味ではありません。普通の子育てには「親の成長」がかかせませんから、一番難しいことかもしれません。療育によって発達を促そうと頑張ると、かえって障害が大きくなってしまいます。日常生活がしっかり出来ていないと、普通の部分がしっかり育たないため、ダウン症の特徴が悪く出てしまうこと(ふざけて気を引く、立場を誤って他の人そっくりな言動をするとか)もよくみられます。

  子どもを育てる上で大事なものは何でしょうか。それは、たっぷりの愛情と信頼をもって育てること、善悪を教え毅然とした態度で接すること、ノーをしっかり「上手に」言えるようにすること、自分が自分の主人公であることを知ること、他の人への思いやりを適切に表現できるようにすること、感覚(五感)や感性を育てること、好奇心や自立心の芽を摘まないようにすること、場に合った行動を教えることなどでしょう。そのなかで子どもたちは、自分と他の人の共通面と相違面に気づき、自己主張し、ぶつかり合い、失敗しては学び、協調し、それを繰り返しながら、状況判断し、自分をコントロールする力を得て、他の人や物事をどう受け入れていいかを学んでいくのでしょう。

 一番大事なことは、発達を促すことではなく、相互コミュニケーション(非言語コミュニケーション、言語コミュニケーション:聴く、話す)、生活体験、社会性をしっかり身につけ、バランスのとれた発達ができるよう手助けすることです。

    

ダウン症の特徴・障害・病気(併発症)

 ダウン症が遺伝子過剰によることから代謝の相違があることはわかっていますが、それがどういう作用をおこしているかはまだほとんどわかっていませんが、その結果の状態(表現型)の多くはすでによく知られています。ただし、その見方が表面的なため正しいとは言えないものも少なくありません。

 

ダウン症の人達は顔つきが似ているので特殊に思われやすいのですが、これは上あごが小さくつくられていて、それに筋緊張低下(低緊張)が加わっただけのことです。特殊に見られていることで、さまざまな弊害がもたらされていませんか(出生前診断も含めて)。

顔の特徴は単なる特徴であって障害ではありません。しかし、例えば、上あごが小さいために副鼻腔炎になりやすく、口の中から耳にかけても作りが小さいので中耳炎になりやすくなるなど、併発症につながる可能性があるので注意は必要です。

 

ダウン症の特徴のうち病気や障害に結びつきやすいもの

ダウン症の人達で特に注意が必要なのは、大きく分けて次の3つです。

@    筋緊張低下および筋肉が作られにくいこと

これはあまり重要視されていないようですが、さまざまなことに悪影響をおよぼします

たとえば:意欲低下、精神運動発達の遅れ、運動嫌い、関節不安定性、足の変形、肥満、さらに、自信喪失、社会性の低下、など もしかしたら思春期のひきこもりや認知症にも …。

 

A    特徴的な発達と発達障害(遅滞)

ダウン症の子には精神および運動面の発達障害がありますが、発達過程は普通の子どもとほとんど同じです。ただ、ゆっくり進みます(遅滞)。ダウン症の人たちは、納得してから的確な行動に移るので、時間がかかりますが、それは「その人に必要な時間」なのです。

ダウン症の人たちは「全体」を見ようとします。全体が見えることで安心して「部分」にとりかかります。それはごく普通のことで、自閉症の人たちとの基本的な違いかもしれません。しかし知的障害があるため、全体像を正しく掴むことが苦手です。それを示すことで問題がおこるのを防ぐことができます。入学のとき学校内を歩きまわるのも、全体を見たいという意図があることが多いのです。

また、耳から聞いて理解するより見て理解する人たちです(Visual learnerといわれます)。形態認知や空間認知にも優れています。この特徴を知らずに、覚えが悪いと言われることもよくあります。

 

B    併発症の可能性

併発症の種類は一般の人にみられる病気とほとんど変わらず、多種多様のものがあります。それも、併発症がほとんどない人から多数をもっている人までさまざまです。なかには一般の人より稀にみられる病気もあります(真性喘息、川崎病、新生児仮死による重い脳性麻痺、ガンの多くなど)。併発症は、重篤な二次、三次障害をきたすことがあり、定期検診は重要です。

併発症が多いから発達が遅れるとは限りませんが、併発症による悪影響の度合いは、生活環境によって大きく影響されます(医療も環境の一つです)。

なかには、身体面でなく精神的な併発症になる人もあります(ただし、精神面の病気と思っていたら、甲状腺機能低下や脳梗塞などの身体疾患だったという話もあり、身体も調べることが必要です)。精神的な状態も、ダウン症と関連したものとは限りません(たとえば自閉症やうつ病が偶然合併した人もいます…うつ病になりやすい人は20%、自閉症は0.3%、アスペルガー症候群だと2%以上と言われます)。

 

幼児期や児童期にも、単純な教え込みの教育によって発達が停滞した子は少なくありませんが、だいたいは思春期以降にみられます。しかし、思春期とは「変身の時期」とも言われ、親からの自立を強く望み、自分さがしをする時期でもありますから、マイナスの変化があっただけでは病気とは言えません。今まで気がつかないことに気づき、考えていなかったことを考えだすと行動が遅くなったり、ぼんやりしたりしていて当然だからです(一般の人でもよくあることでしょう)。

思春期にマイナスの状態になって、それから脱皮できないと悪循環になり、精神に障害をきたすことがあります。それには、いつまでも子ども扱いされ、過保護にされている、自分が自分の主人公になっていないなど、周囲の対応が大きく影響しているように思われます。ダウン症の子は愛らしいからと年齢以下に扱われ、必要以上に手をかけられてはいませんか。

よくできたとほめられていても、理解しておらず表面だけ見ておぼえたり教えこまれたりしていることもよくあります。でもそれは、経験不足や考える力の不足が隠されている「メッキ」であって、その人の核は幼児期から成長が停滞しているかもしれません。長所である親切心も、それがこうじて、自分の立場を忘れたお節介になると人間関係を損ないます。

メッキは、自分探しが始まる思春期から大人になるとはがれていきます。

学校や職場の人間関係に傷ついて引きこもる人も少なくありません。ダウン症の人たちは、天変地変や事故などのストレスよりも人間関係のストレスのほうが苦手なようです。それでも彼らはぎりぎりまで頑張り、ついには燃えつきてしまうのでしょう。

また、職場に行かなくなった理由が、いつも変わらない単純労働の仕事に飽きてきたことと考えられる例もあります。その仕事の、全体のなかでの位置、重要度、自分の立場などがわからないまま、毎日同じように働いているのに飽きたとしても当然かもしれません。

(一方、自分の仕事を訪問者に説明する人達、作業所で営業部長と呼ばれて、アイディアを出し経営に参加することで、活き活きと積極的に働いている人などもいます)

 

 中年期以降は、アルツハイマー病と診断される人が増えてくるといわれます。しかし、ダウン症だからアルツハイマー病になると決めてよいものでしょうか(医学は科学が基礎なので、論理的に「疑う」ことから始まります)。アルツハイマー病の原因には21番染色体上の遺伝子の直接的な関与があげられています。しかし高齢でもアルツハイマー病にならないダウン症の人もいますから、直結する理由にはなりません。遺伝子のなかにスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)という活性酸素を分解する酵素の遺伝子があります。それが一般の人の1.5倍になっていることから生成が増え、活性酸素の害を防ぐ力は一般人より強いものの、分解産物である過酸化水素(H2O2)が増えるために脳を含め内臓を障害させる可能性があることが言われています。抗酸化物質というのは沢山市販されていますが、SOD様作用があるのであれば害が増えるおそれがあります。紫外線を減らすなど、活性酸素を減らすことを考えていかなければならないでしょう。

 

成人のダウン症の人たちをめぐる環境は適正と言いがたいことがあります。私たちの生活と比較してみれば一目瞭然でしょう… 一般の人でも仕事を辞めるなど環境の変化によって、あっという間に認知症になる人がいます。療育施設長だった知人もそうでした。

 

親ごさんたちや学校の先生、支援員さんなどがご本人の状態を説明する時、よく聞く言葉に、異常な症状、妄想、退行や後退、精神病、認知症、ぼける、などがありますが、このような言葉を使いあてはめようというのは言語道断です。そのように、信頼関係にあるべき人から否定的に見られるということは、ご本人にとって冷たく残酷でしかないことに気づいていただきたいと思います。そして、このような言葉は、ご本人のありのままの姿を受け容れにくくなり、言葉がお互いの愛情を切り離し、悪循環を作っていくおそれがあります。なお、退行と言われている状態も、実際は、認知症の確定診断を受けた人以外の殆どが「退行もどき」にすぎません。周囲の対応に対する適応障害に陥った状態が早期に解決されなかったための後遺症と考えられます。

 

併発症を診断・治療するには

 最も大事なことは早期発見と適切な治療です。早期発見のきっかけは二つあります。一つは、家庭で「いつもと違う、おかしい」と思ったら、すぐにかかりつけ医に連れていくことです。もう一つは、定期検診を必ず受けることです。定期検診は年齢によってかかりやすい併発症を中心におこないます。

診断・治療にあたっては、特別なダウン症専門の医師はいりません。ダウン症の僅かな特性を知れば、標準的な医療で十分対応できます。ごく普通の誠実な医師であれば、正しく診療できるはずです。私が静岡にいる時、どの開業医もダウン症の子をちゃんと診てくれていました(今でもそうです)。ダウン症の併発症の特徴は本にも書いてありますし、インターネットでも調べられますから、医師であれば勉強できるはずです。病気を見落とさないようにすること、わからないことは各専門の医師に訊くこと これは、どの医療でも当然すべきことですから。しかし、ダウン症というだけで特殊と思い込み、難しく考えてしまって、どうしていいかわからなくなる医師もまだいそうなので(それは偏見でもあるのですが)、そのような医療過疎をなくすためには、親の会で地域の情報を得て「専門家を育てる」ことも必要かもしれません。ただし、医師には上からの管理体制はないので、一人ひとりに働きかけなければならないという面倒はありますが。

 

ダウン症の人への治療の際の注意

  ダウン症の人を治療するとき、特に注意するのは「治療薬や麻酔薬が効きすぎること」です。それを知っている医師は、薬の量を減らして使いますが、たとえば白血病で亡くなった原因が、薬が多すぎて副作用でやられたということもありました。また、精神に作用する薬の量が、効かないからとどんどん増やされている例もよくみます(効かない場合は「病気」でなかったのかもしれません・・・ご注意!)。また、CT検査や放射線治療もできるだけ減らす必要があります。

薬というときは、薬効のある(つまり副作用もありうる)漢方薬やハーブはもちろん、サプリも入ります。サプリには怪しげなものが多く要注意です(特に、発達を促進させる薬品、サプリは全世界に存在しません)。

 

 病気の治療は、当然のことですが、効果が上がらなければ意味がありませんし、お金の無駄遣いです。効果を上げるには症状や病名の正しい診断が必要になります。多くの親ごさんから原因は何かと訊かれますが、まだ原因が究明されていないものは多く、内因・外因絡みあって明確に判断できない場合もありますし、たとえ原因がわかっても取り除けない場合もあります。ある程度の状況がわかったら、原因探し(犯人探し?)を追求するのは止めて、手がつけられるところから治療や改善策を考えるほうがいいでしょう。

(精神心理要因は、お話を30分くらい伺うと何となく見えてくるようです)

 

身体面の病気だけでなく精神面が病んだ場合も治療の基本的な考え方は同じです。

第一に重要なことは、それが病気なのかどうか、できるだけ正しく判断することです。病気でないのに薬を使って悪化した例も少なくありません。

相談を受けた専門家は、親ごさんからの情報だけでなく、ダウン症のご本人の様子を診て、じっくり話し合い(言葉だけでなく態度や視線での応答からも)、ご本人に精神障害が合併したのか、家や職場や施設などの生活環境における対応が不適切なのか、ご本人の自我への対処・自己表現法が育っていないのかなど、時間をかけて確かめることでしょう(たとえ環境に問題があっても、ご本人が成熟していれば、さほど問題にはならないでしょうし、自分自身でまたは相談して解決されることでしょう)。もしも思春期の大きな変化をうまく受け容れられなくて、相談相手もみつからないので自分の気持ちを表現できず、主張もできないまま、我慢強く頑張っているうちに燃えつきてしまったら、急激に精神に変調をきたし引きこもったとしても当然ではないでしょうか。

 

精神的なつまずきへの対処や治療にあたっては、年齢相応の関わり、生きがいを満足できるような配慮、本人へのわかりやすい説明と判断の尊重といった、つまり人格を尊重することが基本になります。多くの親ごさんのお話から、どうも以前から小さな変化があったように思われます。その時点で見つけて適切に対処することで悪化を防いだ例もいくつもみています。そのため、親ごさんや教育・福祉などのスタッフの見方考え方も変革していくことが必要になるでしょう。

 私たちはいわゆる健常者なので、健常者の視点ですべてのことを受けとってしまいがちです。障害をもつご本人たちの視点に立とうとする努力がなされているでしょうか。

 

また、精神に支障をきたすような程度でなくてもストレスで情緒が不安定になっている時は、リラクゼーションやアロマテラピーなどを導入してみるのもいいかもしれません。(アロマオイルやハーブは服薬や麻酔薬との関係をみて使ってください)

 

精神的にまいってしまった人には、精神に作用する薬を補助的に使って効果が上がることがあります。ただし精神に作用する薬は、まだ作用がよくわかっていないようです。また、効き方の個人差が大きく、副作用のある薬も多いので、状態をみながら、効果をたえず見直し、合わなければ再検討するなど、慎重に使わなければなりません。

 

きょうだいへの対応について

 障害をもった子と健常なきょうだいが一緒に来たとき、どちらを先に抱きますか?という質問があります。その答えは「きょうだいを先に抱くこと」です。それによって、きょうだいは自分が親から本当に愛されていることを知り、障害をもつ子は家庭の中心でないことを知るでしょう。

どの子も、親から直接愛され、認められ、大事にされたいと思っています。兄や姉は、弟や妹が生まれる前には親を独り占めして可愛がられていたことはケロリと忘れています。子どもにとって大事なのは「今」なのです。これは障害があるなしとは関係ありませんが、障害があると親は心配で、とかく目が向いてしまいます。ほかの子がほめられないことや当然できることまでほめられたりします。それはきょうだいへの悪影響だけでなく、本人の幼い自己中心性をいつまでも残し、成長をさまたげてしまいます(実年齢との大きな差の原因にもなります)。

 きょうだいに世話をさせるのも気をつけなければなりません。親に認めてもらうためにやっていることもありますし、自然なきょうだい感情を超えて哀れみになっていることもあります。できないことはお互い助け合うことは必要ですが、いらないことをしたり、させたり、一方的だったりするのは、適切な人間関係でないですし、本人にもきょうだいにも障害者差別の気持を育ててしまうことからも注意が必要です。

 

健全な、思春期〜青年期〜中高年に向けて

   定期検診をしていますか?(甲状腺、尿酸、眼、耳なども)

   肥満の予防やバランスのとれた食生活をしていますか?

   毎日適度の運動を楽しく続けていますか?

水分の摂取は(環境に応じて)適切ですか?

年齢相応に遇していますか?

   大人としての自覚を尊重していますか?

   自分の思っていることを訴えられますか?

自分さがし、役割さがしが理解されていますか?

悩みの相談にのってくれる人が親以外に(身近に)いますか?

充実し、前向きな日常生活をおくっていますか?

家庭の一員としての(家庭の中心でなく)役割をもっていますか?

余暇を豊かに過ごしていますか?

同世代の人達との交流はありますか?

性や結婚について真面目に対応していますか?

ダウン症は老化が早いと決めつけていませんか?

大人の誘惑への対処を教えていますか?(サラ金など)

   精神的な問題がある時、医療で適切に診断・治療されていますか?

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 [ 付録 ]

有名なダーウィンは、末子がダウン症だったようです。でもダーウィンはそれを知りませんでした。わが子を記録した文は、病気や障害のある子として、ではなく、他の子らと同じように、愛するわが子として温かい目で率直に観察し書かれています。

ダーウィンの末子はダウン症でしたが、観察記録には障害も病気も表されていません  

「年の割に小さく、歩くのも言葉を話すのも遅れていたが、聡明で目ざとい子だった。

裸で床を這っているときの姿は、とても気品があった。一度も病気をせず、私たちの

赤ん坊の中ではいちばん泣かなかった。たとえようがないほど愛らしく、おとなしくて

いつも機嫌が良かったが、すこぶる元気というわけではなく、あまり笑わなかった。

興奮すると奇妙なしかめ面をして体を震わせた。

ただ、おどけるときも同じ仕草をしたし、可愛い口を尖らせたり、大きく開けたりした

後は、小さな目がきらきら輝いていたものだ。どきどき、まるで大声でしゃべるかのように口を動かし、実際に声は出ないのだが、機嫌の良いときはいつもそうしていた。

私の腕につかまり立ちしたり、空中に放り投げてもらうのがとくに好きなようだった。

そんなとき、あの子は決まってにっこりと笑い、小さくうれしそうな声を出した。

つい先日、私が話しかけたときには開いた口でキスをすることを教えたばかりだった。

あの子は、いつまでも私の膝の上に横たわって、穏やかでうれしそうな表情で、私の

顔を見つめていた。ときどき、小さなか細い指で私の口をつつこうとしたり、小さなあごを動かしてやると、快いぶくぶくという音を立てたりした」

 

出展:日本ダウン症協会理事 長谷川知子先生のご厚意により掲載させていただいております。